ペインクリニック
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ペインクリニックとは
ペインクリニックとは
ペインは「痛み」、クリニックは「診療所」を意味します。
痛みには急性期の痛み(けがや手術の後の痛み)と慢性の痛み(いろいろな原因から長く続く痛み)があります。ペインクリニックはこうしたさまざまな痛みを和らげていこうとする診療科です。
その例をいくつか紹介します。
腰痛
椎間板ヘルニアなど腰に原因があるが、手術する程ではなく痛みが続く、腰の手術をしたが痛みが残っている。
頭痛、肩こり
頸椎症から生じるものや、筋肉の緊張からくるもの、偏頭痛、群発頭痛などさまざまな種類があります。
帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹が治った後に残るビリビリした痛みなど。
帯状疱疹の予防注射
2021年7月から2種類の帯状疱疹に対する予防注射が使われるようになりました。それぞれの長所・短所を考えて選んで下さい。
①シングリックス(不活化ワクチン)
2か月空けて2回の接種をする必要がありますが、有効性は10年後にもほぼ90%と言われており、10年たっても十分な免疫が保たれているというデータがあります。そのため基本的には2回打った後に追加の再接種をする必要はないと思われます。また化学療法中の方など、免疫力の低下がある方でも接種可能なのが利点です。ただ一部の地域では補助金がありますが、公的な助成金がない場合は全額自己負担となるために、当院では1回の注射で2万2千円(2023年4月現在)と高額であるのが欠点です。2回接種のために合計4万4千円となります。
②弱毒生水痘ワクチン(小児科で接種している水痘ワクチンと同じです)
1回接種すればよいワクチンですが予防効果は約50%、5年程度で有効性が落ちるために5-6年毎に再接種が必要です。1回接種の値段は当院では7000円(2023年4月現在)となります。免疫力が低下している病気の方には接種ができません。
片頭痛とは 最近の治療
何らかの理由によって脳の血管が拡張しておこる頭痛です。(最近では脳の三叉神経の炎症とそれにより脳内に増えるCGRPという物質が関係しているといわれています)。脈打つような激しい頭痛とともに吐き気を生じたり、光・音・においなどに過敏になる症状も起こることがあります。片頭痛の方の中には発作時には仕事を休まないといけないなどの生活に支障が出る人がいます。
治療は現在発作時に使用するトリプタン製剤の内服薬や注射薬が用いられています。また頭痛発作の頻度が高い方は様々な予防薬が用いられています。ただ残念なことに確実によく効く予防薬は今までありませんでした。それに対して令和3年に予防注射が発売になりました。
今回発売された予防注射は脳内に増えるCGRPという物質の働きを抑えて片頭痛の発作が起こるのを抑える注射薬です。月1回の注射で片頭痛の発作の回数や程度を大きく減少させるといわれています。月に4回以上の発作が続く方など対象となる患者さんに制限があることと、1回の注射薬の値段が3割負担の方で13,500円(令和3年8月現在。診察料などは別)と高額なので全ての人に使えるわけではありませんが、片頭痛で苦しむ方には朗報です。
予防注射などについて気になることがあればお気軽にご相談ください。
顔面の痛み
三叉神経痛や顔の一部分に痛みがあるなど。
そのほか原因がわからない痛みが長く続いている場合、一度ペインクリニックにご相談ください。
当院のペインクリニックは女性医師による診察ですので女性の方もお気軽にご相談ください。
治療方法
治療方法
・薬(西洋薬や漢方薬)
・電気治療器、ウォーターベット
・神経ブロック療法
上記の組み合わせによって、痛みの軽減を図ります。
電気治療器(電気刺激により痛みの緩和をめざす機器)
痛い場所に吸盤型の電極をつけ神経を刺激し痛みを和らげます。電極をつけるだけなので服を着たままで治療をうけられます。
複数の周波数の刺激のうえにエムキューブ波を加えることにより、従来の低周波電気治療器に比べより深いところの痛みや筋肉のこりとはりを改善します。
神経ブロック
神経ブロックには自律神経の調節改善が期待される星状神経節ブロックや、透視機器を使いながらの頸椎症や腰痛症の方におこなう硬膜外、椎間関節ブロックなどに対応しています。
ウォーターベッド
首や肩、腰だけでなく全身を水流の力でマッサージします。
帯状疱疹て何?
原因
子供の時にかかる水ぼうそうと同じウィルスが原因でおこります。子供の時に水ぼうそうになると、治ったあともそのウィルスが体の神経細胞の近くに隠れているといわれています。そして、このウィルスは私たちの体の免疫力(細菌やウィルスに対する抵抗力)が落ちてくると、再び活動し始めることがあるのです。
症状
子供の時のように全身には出ず、神経にそって小水疱ができ、皮疹とほぼ一致した箇所に痛みがでてきます。
治療
ウィルスに対し抗ウィルス薬を約5-7日服用します。
帯状疱疹後神経痛て何?
原因
帯状疱疹の皮疹がでたところの痛みが強く残る場合をいいます。ウィルスによって神経が傷ついたためにおこると考えられています。触るとヒリヒリしたり、電気が走るような痛み、おもだるい感じ、皮膚をじかに触っていても何かの上から触れているような感じなど、さまざまな感覚がみられます。
治療
薬-電気が走るような痛みなど、通常の痛み止めが効きにくい痛みも多くみられます。そのような痛みに対しては抗てんかん薬や抗うつ薬などの薬が使われています。
また、帯状疱疹後神経痛に対して作用する新しい薬も研究されています。
神経ブロック治療-痛みが強い場合や薬の作用が十分でない場合におこないます。
ブロック注射の種類は、神経痛のでている場所によって変わります。
(硬膜外ブロック、星状神経節ブロックなど)
帯状疱疹後神経痛は治癒するまでに時間がかかる場合が多い病気です。
痛みがある場合は一度ペインクリニックの受診をご検討ください。